日本数理生物学会が授与する賞には、大久保賞(Akira Okubo Prize)、研究奨励賞、大会ポスター賞の3賞があります。大久保賞はSociety for Mathematical Biology (SMB)と共同で授与します。

Rules of Akira Okubo Prize

大久保賞(Akira Okubo Prize)

News

2021 Akira-Okubo Prizeの受賞者が決定2020年8月

日本数理生物学会(JSMB)は, Society for Mathematical Biology (SMB)と共同して, 2年に1度数理生物学の発展に貢献した研究者に大久保賞を授与しています。大久保賞は「若手」研究者と「年長」研究者に交互に授与されています。

大久保賞の過去の受賞者

日本数理生物学会研究奨励賞

日本数理生物学会(JSMB) は,数理生物学に貢献をしている本学会の若手会員の優れた研究に対して,研究奨励賞を授与しております.

News

第15回(2020年度)研究奨励賞の受賞者が決定2020年9月

受賞者
審査委員会の報告

選考委員会は、本年度の研究奨励賞を以下の2名に授与することに決定いたしました。

入谷 亮介
(理化学研究所)
岡田 崇
(理化学研究所)

選考委員からの報告を掲載いたします.
 今年度は4名の候補者(内男性4名,女性0名)がありました.選考は,まず,選考委員6名のうち,候補者と利害関係のある選考委員(共同研究者や研究資金をやりとりする関係者)を除く選考委員が第1段審査を行いました.第1段審査では,各候補者の主要論文3編を含む応募書類を各選考委員が個々に吟味し,5段階の絶対評価と所見を委員長に報告しました.そして,その評価結果を選考委員会で共有し,授賞者の推薦を行う第2段審査に進みました.第2段審査審査では,少なくとも1名を推薦することに合意し,投票によって,1名を決定しました.その後,さらに議論を行い,2人目の受賞者を決定いたしました.

入谷氏は,2016年に九州大学において博士の学位を取得し,その後,複数のボスドクを経て,現在,理化学研究所・数理創造プログラムの研究員(任期付き)の職に就いています.入谷氏の専門は進化生態学であり,数学のバックグラウンドを生かし,特に宿主・寄生者系に関する研究を行っています.大学院時代には,古典的なHamilton and May (1977)のモデルを発展させ,寄生者の感染の有無に依存した宿主の移動分散率の進化を研究しています.学位取得後は、宿主の幼体から成体への成熟期間に応じて,寄生者が幼体と成体の宿主それぞれから搾取するレベルの進化ダイナミクスを数学的に厳密に解析しています.そして,その結果から多様な種の感染率データと比較可能な理論的予測を導いており,実証実験との融合にも力を入れている点は特筆に値します.学位取得後5年目にして論文8報発表,うち2報が単著,4報が筆頭著者であり,業績の主体性が評価できます.また,国内外の研究集会に積極的に参加し,海外との共同研究を積極的に推進している点や,評価の高い学術誌において研究を発表している点も評価されました.今後も,進化生態学的側面から数理生物学への寄与が期待されます.

岡田氏は,2013年に京都大学において博士の学位を取得し,その後,複数のポスドクを経て,現在,理化学研究所・数理創生プログラムの上級研究員(任期付き)の職に就いています.岡田氏は,素粒子の分野で学位を取得し,その後,1年間,素粒子分野でのポスドクを経た後,数理生物学の分野に転身したという,異色の経歴をもちます. 数理生物学に関する主な業績は,理化学研究所のポスドクに着任後行われた,化学反応ネットワークに関するものです.化学反応ネットワークのトポロジカルな構造と,そのシステムへの摂動に対する反応との関係についての非常に興味深いルールを発見し,数学の定理として発表しています.また,この研究を分岐の問題に対しても発展させており,化学反応ネットワーク理論のさらなる発展が期待されます.また,岡田氏の研究は,数学的に厳密であるだけでなく,数学的な研究結果を実証研究へと結びつけようとしている点も高く評価されました.研究成果が物理学におけるトップジャーナルに掲載されている点や,海外経験が豊富である点も評価されました.岡田氏が受賞されることで,多くの優秀な若手研究者が異分野から数理生物学に参入し,数理生物学の発展に寄与するようになることが期待されます.

 以上により,本選考委員会は,「数理生物学に貢献をしている本学会の若手会員の優れた研究を表彰することにより,研究の発展を奨励しわが国の数理生物学の一層の活性化をはかる」という授賞基準にふさわしい研究者として, 入谷亮介氏と岡田崇氏の両氏を日本数理生物学会研究奨励賞の授賞者として推薦いたします. なお,今回,惜しくも選に漏れた候補者も,それぞれ高く評価されたことを申し添えます.次回以降, 再チャレンジを含めて,多くの方が応募されることを期待しています.

日本数理生物学会
研究奨励賞選考委員会
今隆助(委員長),岩見真吾,近藤倫生,佐竹暁子,瀬野裕美,時田恵一郎,

研究奨励賞の過去の受賞者(授賞理由は受賞者名後のニュースレターに掲載しております。)

大会ポスター賞

日本数理生物学会年次大会において,優れたポスター発表をした研究者に対して,ポスター賞を授与しております.

2020年の日本数理生物学会名古屋大会において,次の3件の発表が優秀であると評価され,報告者(所属に*がついている方)がポスター賞を受賞しました。

・熊田隆一(*東大)・佐藤正都(総研大)・佐々木顕(総研大)  「新型コロナウイルスの潜伏期間の進化」

・堀口修平(*東大)・小林徹也(東大)  「免疫系における胸腺の強化学習の観点からの機能的意義」

・浅倉祥文(*京大)・本田直樹(京大・自然科学研究機構生命創生探求セ)  「動物初期発生におけるクロマチン動態」

© Copyright 2007-2017 by JSMB.