会長挨拶

年頭のご挨拶

 日本数理生物学会会員の皆様

 新年明けましておめでとうございます.

 会員の皆様には 1 年間学会の運営にご協力ありがとうございました.事務局における様々な仕事を担っていただ いた静岡大学の事務局長佐藤一憲さんと,会計担当の宮崎倫子さん,会員関係担当の守田智さんには特に感謝いた します.また学会設立から 20 周年に当たる記念大会を成功裏に実施していただいた東京大学の稲葉寿さんと中岡慎 治さんに感謝申し上げます.本年度は北海道大学の高田壮則さんを中心に 9 月に札幌で開催されます.

 学会設立 20 周年記念事業である「シリーズ数理生物学要論」は第1巻『「数」の数理生物学』が 2008 年 9 月,第 2巻『「空間」の数理生物学』が昨年 5 月に共立出版から発刊されました.第 3 巻『「行動・進化」の数理生物学』 は 2009 年度中に発行予定です.「シリーズ数理生物学要論」執筆にご協力を頂いた会員の皆様,特に編集責任者と して継続的に奮闘していただいた広島大学の瀬野裕美さんに心から感謝いたします.また学会とは直接的な関係は ありませんが,会員である竹内康博・森田善久・三村昌泰を編集委員として,共立出版社からシリーズ「現象を解 明する数学」(仮題)が 2011 年から出版する計画が進んでおります.学会主催の年会以外に本学会は様々な研究集 会を講演しております.第6回「生物数学の理論とその応用」は森田善久さんを責任者として 11 月に龍谷大学「と もいき荘」で開催されました.また「新しい生物数学の研究プロジェクト」が佐藤一憲さんを代表者として12 月に開催されます.

 過去 2 回開催された日中生物数学コロキュームが本年 10 月に,第 3 回コロキュームとして北京で開催されます. 同コロキュームは JSMB と CSMB が主催しますが,韓国数理生物学会の代表者も参加する見込みです.北京会議 では日中生物数学コロキュームを日中韓の生物数学コロキュームとして拡張し,2 年おきに三カ国で輪番で開催す ること,2012 年には韓国で開催する方向が検討されることになっております.

 本ニュースレターが皆様の手元に届くまでには,2010 年度の国家予算は決定されているでしょうか? 2009 年 11 月末現在政府主導で行われている事業仕分けがどのような結果となっているか予想できません.11 月 30 日に日本 数理生物学会は「若手研究者支援の削減に反対する意見表明」を文部科学省に送りました(声明作成に当たっては 京大生態学研究センターの山内淳さんのご協力を頂きました).「“ 若手研究者支援 ”は科学技術分野において「コ ンクリートから人へ」を象徴する最も重要な案件だと私たちは確信しています」という私たちの訴えは政府に届い たでしょうか?

2010年1月
日本数理生物学会会長 
竹内康博

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