日本数理生物学会会員の皆様
新年おめでとうございます.
本年1月より会長をつとめることになりました竹内康博です.事務局も東京大学から静岡大学に移り,幹事長は佐藤一憲さん,会計は宮崎倫子さん,会員関係担当は守田智さんが就任されます.幸い会長と事務局が同じ静岡大学(同じフロアー)ですので,メールなしでいろいろ相談できると思います.事務局共々これからの2年間どうぞよろしくお願い致します.
はじめに,重定南奈子前会長と稲葉寿前幹事長を中心とする前執行部の皆様には,この2年間学会運営に並々ならぬご尽力をいただきありがとうございました.また,昨年の同志社大学で開催された年大会は174名の多くの参加者を迎え,盛大に成功したと思います.本大会にご尽力頂いた川崎廣吉大会委員長をはじめ同志社大学の皆様に心より感謝致します.
今年は,日本数理生物学会の前身である日本数理生物学懇談会が設立された1989年から20周年に当たる節目となる記念すべき年であります.設立20周年記念大会は東大の稲葉寿さんを中心に計画されています.9月9日(水)−11日(金)と東京大学(駒場キャンパス)で行われます.次年度(2010年)の大会は北海道大学で高田壮則さんを中心にして計画されています.また広島大学の瀬野裕美さんを編集責任者として,日本数理生物学会設立20周年記念事業として,「シリーズ数理生物学要論」を出版していきます.巻1:『「数」の数理生物学』は昨年9月に出版され,巻2:『「空間」の数理生物学』は本年3月,巻3:『「行動・進化」の数理生物学(仮題)』は本年7月に発行予定です.
今期の私の任務は、こうした前執行部が敷かれた路線を基本に据えて、数理生物学のさらなる発展と普及の為に何をなすべきか、皆様と一緒に模索していくことだと考えています。そのためには、会員の皆様が学会運営に関心を持って下さることが大切です。今年の12月には次期会長と運営委員の選挙があります。前回の投票率は僅か23%でした。今回は是非積極的に投票して下さるようお願い致します。
このような学会主催の年会以外に,本学会は様々な研究集会を後援しています.毎年数理解析研究所で行われる「生物数学の理論とその応用」研究集会や「新しい生物数学の研究交流プロジェクト」,関係者による国際研究集会など数多くの研究交流の活動を学会としては支援していきたいと考えております. 本学会のホームページを見るとSMBやESMTBだけでなく,CSMB(中国)やKSMB(韓国)の数理生物学会のホームページにリンクされています.まだ個人的な考えでしかないのですが,日中韓の数理生物学会を中心として,アジアにおいて数理生物学を交流できる場を2年間隔で交互に開催できればすばらしいと考えています.日本の若手研究者で台湾や韓国でがんばっている会員がいて,また中国にも本学会員がいます.現実に日中や日韓,中韓の研究者による共同研究も進んでいます.
日本数理生物学懇談会は当時「数生懇」と呼ばれていて,1993年まで数理解析研究所で行われたMathematical Topics in Biologyという研究集会や94年からの数理生物学シンポジウムを懐かしく思い出します.特別の事情がない限り,毎年これらの研究集会に参加し,研究交流することを楽しみにしていました.日本数理生物学会は2003年に学会化しましたが,「数生懇」時代を含めて今年20周年.今後とも,自由に忌憚のない議論ができ,若い会員が生き生きと活動でき,国際的な研究交流が活発であるというよき伝統を継承していきたいと考えております.
2009年1月
日本数理生物学会会長 竹内康博