難波利幸

会長挨拶

会長就任挨拶

 本年1月から2年間,会長を務めることになりました大阪府立大学大学院理学系研究科の難波利幸です。まず,この2年間,学会運営に指導力を発揮されてこられた三村昌泰前会長と,会長を補佐して事務局運営に力を注ぎ,新たな学会サーバの設置や会則の改正など多くの懸案を解決されてこられた若野友一さん,大槻久さん,小林豊さんに心から感謝の気持ちを捧げたいと思います。

 2015-2016年の事務局は,幹事長を岡山大学大学院環境生命科学研究科佐々木 徹さんに,会計を龍谷大学理工学部の近藤倫生さんに,会員担当を奈良女子大学理学部の瀬戸繭美さんと東京海洋大学海洋科学部の岩田繁英さんにお願いしました。経験豊富な佐々木幹事長と若く溌剌としたメンバーに支えていただきながら,この2年間を何とか乗り切ろうと考えています。

 前身である数理生物学懇談会から数えると,本学会は既に25年の歴史を有し,SMBとの合同大会を含めると、この8月には25回目の年会を迎えることになります。本学会の歴史については,何度かニュースレターで報告されていますが,昨年7月から始まった連載「数理生物学のアルバム」で,学会創設にかかわった皆さんの思い出に黎明期の熱気を感じ取り,今日の姿にまで日本の数理生物学が発展してきた理由を読み取ることができます。歴代会長を始め,これまで日本数理生物学会を支えてくださった多くの皆さん,本当にありがとうございます。

 会員の皆さんのご努力で大きく発展してきた日本数理生物学会ですが,2014年は学会にとって節目の年の一つだったのではないかと思います。日本の数理生物学は,古くから海外との交流を積極的に進め,特にアメリカを中心とする数理生物学の国際組織Society for Mathematical Biologyとは,2001年にハワイで,2007年にはカリフォルニア州サンノゼで合同大会を開催しました。合同大会と言っても,この2回はアメリカでの開催であり,日本側もシンポジウムの提案などで協力はしましたが,運営の責任はSMBにゆだねてきました。その後,第3回の合同大会は日本で開くことをSMBから求められ,2011年のKrakowでのヨーロッパ理論数理生物学会とSMBとの合同大会で,当時の山村会長が2014年を目処に日本での合同大会の開催を約束することとなりました。

 こうして実現したのが,2014年の大阪でのSMBとの合同大会です。準備を開始した当初は,海外からの参加者数や資金の見通しが不透明で,成否が危ぶまれましたが,ふたを開けてみると参加者数538名,内海外からの参加者242名と多くの参加者に恵まれ,69枠のミニシンポジウム,38枠の一般口頭発表,65件のポスター発表と学術的内容も充実し,活発な議論が交わされる大会となりました。大会の様子は,SMBのニュースレター2014年9月号でも好意的に紹介されています(http://www.smb.org/publications/newsletter/vol27no3.pdf)。多くの若手研究者に世界の先端研究に触れ海外の参加者との交流を深め,今後の研究のための刺激を与える機会にもなったのではないかと思います。大阪大会の評価が高かったせいか,SMBからは大会直後に次回の合同大会を4年後の2018年にシドニーで開催したいとの提案がありました。運営委員会で審議の結果,時差が小さく若手にも参加しやすいと思われるオーストラリアで合同大会を開催することは,日本の数理生物学のさらなる発展に寄与するものと判断し,SMBの提案を受けることになりました。

 2015年8月に京都で開催される第25回の年会は,日中韓数理生物学コロキウムとの合同開催となります。日中韓数理生物学コロキウムは,2006年に静岡大学の竹内康博さん(現青山学院大学)が中国のWendi Wangさんと始められた日中数理生物学コロキウムを前身とするもので,2008年の岡山大学での開催に続き日本での二度目の開催となります。2014年のSMBとの合同大会に続いて,2015年は中韓とのいっそうの交流を深めることができる年になるのではないかと思います。

 日本数理生物学会の特徴は,若手会員が活発に研究活動を展開し,かつ学会運営にも積極的にかかわっていることです。そのことは,昨年の大阪での合同大会の成功や,会員が学会外の組織からも名誉ある賞を受賞するなどの成果に如実に現れています。今の学会にとって,会長,事務局の役割は,この良い流れを壊さぬよう,若手会員の活躍を支援するための学会運営を進めていくことだと思っています。2年間,会員の皆様のご協力をお願いして,ご挨拶とさせていただきます。

2015年1月
日本数理生物学会会長 難波 利幸

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