日本数理生物学会の会員の皆様

2005年8月23日

昨年の広島大会の総会以来、中堅若手向けの研究奨励賞をもうけることについて運営委員会でも議論を重ねて参りました。

今回、横浜国立大学での総会において、一般の会員の意見も聞いて、最終的にどのような形の賞をもうけることが望ましいのか、もしくはもうけない方がよいのかといった議論をし、賛成がえられれば進めたいと思います。

研究奨励賞をもうけるとすると、それは会則の改訂を含むことになりますので、運営委員会で議論して直ちに総会にかけるのではなく、一般の会員の方からも御意見を伺いたいと思います。

以下に、1つの会則改定案をお示しします。これはあくまでも1つの叩き台でして、総会までの間に運営委員会の議論で変更されたり総会の場で換わったりいたします。

改正の1つの点は、大久保賞というSociety for Mathematical Biologyと共同で維持している賞がありますが、現在はその選考委員の選出手続きなどについて、会則で決めています。他の学会の例をみますと、会則には、賞をもうけることとその趣旨を述べるにとどめ、別に細則をつくってそこで選考委員の選出や選考の手順などについて詳しく規定してあるようです。

それで日本数理生物学会もそのような形式に変更しようと思いました。つまり会則には、「表彰」というセクションをもうけて、その下に大久保賞に関するものと研究奨励賞に関するものを書きます。そこにはそれぞれの賞の目的だけをかきます。それとは別に、それぞれの賞についての細則を新たにもうけました。

今回は、研究奨励賞という若手や中堅向けのものを提案いたしますが、運営委員会での議論ではもっと年輩の研究者も考慮に入れた賞も検討してはという意見がありました。しかし昨年の広島大会での総会で議論したのは、研究奨励賞だけでしたので、とりあえずは、その分だけでも実現させてと考えたものです。

先に申しましたように、以下の案はあくまで叩き台ですので、お読みになって御意見をお寄せいただけると幸いです。とくに総会に出席できない会員の方は、御意見をお寄せいただけると、十分考慮をして決めることができると思います。よろしくお願いします。

なお、会則の改定案は1ヶ月以上前に、文書にて会員に郵送するという規定ですが、送料のことと厳しい学会予算を考えますと、これをメールによる知らせとホームページでの公開によって代用するようにすることも必要ではないかと考えています。このことについても横浜での総会で議論をしたいと思います。

巌佐 庸

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日本数理生物学会会則変更案   2005-8-23

以下の変更案は、変更した後の文面です。現在の会則については学会ホームページをご覧下さい。

第3条 「事業」

2) 表彰の運営

第4章「表彰」

第1条「研究奨励賞」すぐれた研究業績を持ち,数理生物学の発展に大きな貢献をしている本学会の中堅または若手会員に対して,その研究業績を表彰 することによりわが国の数理生物学の一層の活性化をはかるため, 日本数理生物学会研究奨励賞を贈る. 研究奨励賞の規程は細則で定める.

第2条 「大久保賞」顕著な研究業績により数理生物学の深化や新たな研究展開に指導的役割を果たした者に Society for Mathematical Biology と共同で大久保賞(Akira Okuibo prize)を贈る。大久保賞の規程は細則で定める。

第17条「大久保賞選考委員」本会は大久保賞選考委員3名をおく. 大久保賞選考委員は Society of Mathematical Biology と共同で設立されている大久保賞の受賞者の選考にあたる。大久保賞選考委員は会員の推薦に基づき運営委員会の議を経て総会で選出するが, 本会会員であることを要しない.

第18条「研究奨励賞選考委員会」本会に6名の選考委員からなる研究奨励賞選考委員会を置く. 研究奨励賞選考委員は, 研究奨励賞の受賞者の選考にあたる. 研究奨励賞選考委員のうち3名は大久保賞選考委員とする. 残り3名は運営委員会が選出する.

日本数理生物学会ーSociety for Mathematical Biology 大久保賞 細則

第1条 日本数理生物学会は Society for Mathematical Biology と共同で, 顕著 な研究業績により数理生物学の深化や新たな研究展開に指導的役割を果たしたものに, 大久保賞を設ける. なお受賞は2年に1名とする.

第1条 日本数理生物学会は Society for Mathematical Biology と共同で, 顕著な研究業績により数理生物学の深化や新たな研究展開に指導的役割を果たしたものに, 大久保賞を設ける. なお受賞は2年に1名とする.

第2条日本数理生物学会選出の大久保賞選考委員の任期は10月からの3年とし, 毎年1名を改選する. 任期の最後の年にあたる大久保賞選考委員が日本側を代表する委員となる. 3年の任期を終えた委員は, その後の6年間, 大久保賞選考委員に選出されることができない.

第3条 大久保賞の選考手順については, Society for Mathematical Biology との協議にもとづいて、別に英文で定める.

第4条 会長は選考委員会が選定した候補者について, その賛否を運営委員会に諮り,有効投票のうち3分の2以上の賛成がある場合これを受賞者として承認し, 直ちに本人に通知をする.また, 受賞候補者が無い場合には, 運営委員会の了承を受けて, 受賞者が無いことを会員に公表する.

第5条 日本数理生物学会は, 受賞者を大会に招聘し, 受賞記念講演を行う.

第6条この細則の変更には運営委員会の3分の2以上の同意を要する.

日本数理生物学会 研究奨励賞細則

第1条 日本数理生物学会研究奨励賞(以下研究奨励賞という)は, 本学会員で, 数理生物学に優れた貢献をしている, 自薦による応募者もしくは本学会員により推薦された者の中から, 以下に述べる選考を経て選ばれた者に授ける.なお, 授賞は毎年2名以内とする.

第2条 研究奨励賞選考委員(以下選考委員という)の中で運営委員会が選出する選考委員の任期を1年とする. 再任は妨げない.

第3条 選考委員会は2名以内の受賞候補者を選び, 選定理由を付けて会長に報告する.なお,受賞候補者が無い場合も,その旨を会長に報告する.

第4条 選考委員が被推薦者となった場合で, 選考の最終段階に候補として残った場合には, 選考委員会からはずれるものとする.

第5条 会長は選考委員会が選定した候補者について, その賛否を運営委員会に諮り, 有効投票のうち3分の2以上の賛成がある場合, これを受賞者として決定し, 直ちに本人に通知をする.また, 受賞候補者が無い場合には, 運営委員会の了承を受けて,受賞者が無いことを会員に公表する.

第6条 授賞式は大会において行う.

第7条 受賞者は受賞の対象となった研究業績について, 原則として, その授賞式が行われる大会において講演する.

第8条 この細則の変更には運営委員会の3分の2以上の同意を要する.

日本数理生物学会の歴史/巌佐会長 (2005-2006) からのメッセージ

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